
身近な緑
残そう、守ろう、楽しもう
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2022,12

つくし野・みなみつくし野 みどりときの会
身近なみどり 残そう、守ろう、楽しもう
みみきの1号 目次



緑あふれる美しい街を皆さんと一緒に楽しみたいと始めた「みみきの」。会員になってくださる方もチラホラ出てきました。会報誌「みみきの号」もいよいよスタート。最初の話題は、すずかけ台駅の「スズカケノキ」です。
スズカケノキはプラタナスの別名(和名)です。「プラタナス」の方が一般的に知られているかもしれません。すずかけ台駅のシンボルツリーとして駅前広場に5本植わっています。木の幹は独特の模様で、葉っぱはとても大きく、横幅は30センチ以上になることもあります。
明治期に日本へ輸入された頃には、海外の先進的で優雅なイメージを伝えるものとして愛好されたようです。しかし成長が早く、大きな葉っぱの落ちるプラタナスは落葉の後始末が大変、剪定に費用がかさむという理由で次第に敬遠されるようになりました。プラタナス類は、全国に街路樹として植えられた高木本数としては、 1954年には1位で約30%を占めましたが、2012年には2%、現在ではほとんど採用されることはなくなり、現時点で街路樹や公園木として残っているものが最後なのではないかと思われます。
すずかけ台駅は東京工業大学の大学院・研究所を擁する駅です。スズカケノキは、東急田園都市線が延伸して1972年に駅が開通する時に東工大の名誉教授の推薦で駅名が決まり、シンボルとして植樹されたものです。古代ギリシャの哲学者たちがその木の下で講義をしたというプラタナス。そして今年すずかけ台駅は開通50周年。そう思って見回して見ると、この木の存在がまた違ったものに見えるかもしれませんね。
すずかけ台駅のスズカケノキ(プラタナス)
スズカケノキ、名前の由来
山伏の着る麻の着物を篠懸(すずかけ)といいます。その上に玉のような装飾がついた結袈裟(ゆいげさ)をかぶります。スズカケノキの実をこの結袈裟の玉に見立てて、結袈裟を含めて装束全体が和名の由来となったのではないかと言われています。しかし真偽の程は不明です。

ゆいげさ


モミジバスズカケノキの木肌は迷彩柄のように特徴的です。また葉の形はカナダ国旗のメイプルの葉とよく似ていますが、遺伝子上では全く違うタイプに分類されています。
すずかけ台駅といえば東工大?
1972年に開通し、今年50周年を迎えたすずかけ台駅。2021年の1日平均乗降者数は9千人弱と、田園都市線の中では田奈駅に次いで2番目に少なく、つきみ野駅とほぼ一緒の人数です。当初、東急田園都市線では「新小川駅」や「南つくし野駅」という駅名を検討していたようですが、ちょうどこの地に大学院と研究施設の新設計画があった東京工業大学の先生の提案で「すずかけ台」に決まったそうです。
開通初年度の1日平均乗降人数は2228人と今の4分の1程度。東工大の長津田キャンパス(現すずかけ台キャンパス)が1975年にオープンし、宅地の分譲も進み、乗降者数が増加しました。
東工大関係者の乗降が多いこの駅は、コロナ禍でほぼ休学となった2020年には7千人台まで乗降人数が減っていましたが、昨年からその数が戻ってきたようです。 ちなみに2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授の研究所もこのすずかけ台キャンパス内にあります。
パンジー、ビオラは冬の救世主!
寒い季節こそ、色とりどりのお花を楽しみましょう。














できあがり






パンジーの植え込みを教えてくださったグリーンアドバイザーの上野さんのお庭を拝見しました。
「年齢と共に明るく柔らかい配色を選ぶようになりました。お気に入りの宿根草を育てながら季節の花と合わせるのを楽しんでいます」とおっしゃる上野さん。枕木をあしらった玄関脇のアプローチから可愛らしい緑色の木製の小門を抜けて↙︎
一歩お庭に足を踏み入れるとそこはまた別世界。紫やピンクを基調にし、花の高さや色を考えた配置が何とも素敵でした。ハーブと土の香りがし、一気に癒されました。

通路の地衣類。
グランドカバーとしてあまり手を加えないところを作ることが大切だそうです。頑張りすぎると後が続きませんから、とのこと。本当にその通りですね。手を抜くことも楽しむための秘訣かもしれません。

こんなお庭ならずっといたい…。一つ一つの植物に対する深い愛情を感じました。
どうもありがとうございました。
編集後記:みみきの1号は楽しんでいただけましたか?
東急線の中でもすずかけ台ほど広い駅前広場や美しい緑地がある駅は珍しいのでは?田園都市線随一の駅前風景だと密かに自負しています(笑)。上野さんのお庭があまりにも羨ましくて、家に帰ってきてどんより…。次回も地域にお住ま いの方の素敵なプランター、外構、お庭などを紹介したいと思います。また「みみきの0号」のご用命もお問合せの連絡先まで遠慮なくどうぞ。地域の緑情報、「うちの緑見にきてー」などなどお気軽にご連絡ください。
代表 小川